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【18禁】天使の羽根を踏まないでっ

攻略

完全自力攻略ガイド

このゲームは自力攻略が極めて容易であるので、是非とも自力攻略を勧める。 自力攻略のために最低限必要なアドバイスは「右クリックメニューのJUMPを使え」だけである。 選択肢も少なく、既読部分はJUMPが高速に動作するので、全選択肢を虱潰しに実行しても大した時間はかからない。 あと、空ルートと最終ルートは初期状態では入れないことだけ知っておけば良い。

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少しだけアドバイス

  • 太陽の学園は、ひかるルートかひかる&照ルート
    • 徹底的に夏日照寄りの選択をするとひかる&照ルート
    • 選択肢が一つでも違うとひかるルート
  • 月の学園は、憩ルートか羽音ルートか空ルートか最終ルート
    • 徹底的に十二次憩寄りの選択をすると憩ルート
    • 選択肢が一つでも違うと羽音ルート
      • 条件を満たす(羽音クリア?全員クリア?)と羽音ルート中に空ルートへの分岐選択肢が現れる
        • 条件を満たす(空クリア?全員クリア?)と空ルート中に最終ルートへの分岐選択肢が現れる

体験版

このエロゲ凄すぎ。 何が凄いって、主人公が男の娘(笑)。

angel_wing05.jpg angel_wing18.jpg angel_wing19.jpg angel_wing22.jpg

といっても、決して、BL物ではないので。 主人公が何らかの事情で女装するエロゲは他にもあり、これが最初ではない。

  • 【18禁】処女はお姉さまに恋してる
  • 【18禁】恋する乙女と守護の楯
  • 【18禁】るいは智を呼ぶ
  • 【18禁】花と乙女に祝福を

このゲームが他と違うのは、主人公が極めて自然に女装できていることである。 女装をしたために男の娘になったのではなく、普段から自然に男の娘なのである。 女装のために特別に行なったことは、服装と髪型を変えたことくらい。 喋り方も振る舞いも女装前後で変わっていない。 女装前から、一人称は「私」であり、男性特有の乱暴な話し方はしない。 女装のために声色を変えることもしていない(女装前後で同じ女性声優が声色を変えずに声を当てている)。 何と、主人公の過去を知る複数の人間からも女であると認識されている。 女装するに至った経緯を知らない旧知の人間が4人登場するが、いずれも、主人公が旧知の人間だと気づいている。 にもかかわらず、誰も主人公が女であることについての疑問を述べない。

照「あれ? この船に乗ってるって事は、もしかしてあやめさんも……?」
どきん。
あやめ「えっ、あの」
懐かしい気持ちでいっぱいになってしまって、油断していました。
そうです。照さんは、私をご存知なのです。
ど、どうしましょう。いきなり困ってしまいました。
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照「やったぁ! 同じ学園なんですね!?」
……あれ?
けれど、どうしてでしょう。返ってくるはずのない反応がありました。
というか、「あやめさんも」って……なんでそんなふうに思われるのでしょうか。だって……。
照「あ、でも、どっちの学園になるかはまだわからないですよね。喜ぶのは早いかな」
あやめ「え?」
空「−−なんだ、この失礼極まりない暴力女と知り合いなのか」
照「さっきはホントにごめんなさい。えっと、あなたは……」
あやめ「あ、彼は私の弟で空といいます」
照「まあ、弟さん。あ、その衣装。もしかしたらあなたは教会の−−」
空「んな事はどうでもいいんだよ。ほら、行こうぜ」
と言って、空ちゃんは私の手をやや強引に引っ張ります。
あやめ「ちょ、ちょっと空ちゃん」
空「バカ。あいつ昔の知り合いなんだろ? って事は、兄貴が男だって知ってるって事じゃねーか」
あやめ「それがおかしいんだよ。照さん、さっきから私がこの船に乗っていてもおかしくないって口振りで」
空「はあ?」
あやめ「……あ。もしかしたら……勘違いされたままなのかも」
空「勘違い?」
あやめ「うん。前にも話した事があると思うけど、私は昔−−」
空「なるほど。つまりあいつ、バカなんだな」
あやめ「違うよ。ホントに塾の皆様、ずっと勘違いされていて」

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ひかる「あなたはやはり双見さんだったのね。昔と変わりなくて安心しました」
あやめ「ご無沙汰しています。ご挨拶が遅れて、申し訳ありませんでした」
昔と変わりない−−そのお言葉はきっと褒め言葉だったのでしょうけれど、どうやらひかるさんの思い出の中でも、私は女の子であるようです。

?「ま、それはともかく−−月の学園にようこそ、双見あやめクン」
あやめ「どうして……私の名前を……」
?「ふふっ。どうしてかしらね」
空「すげえな。姉貴の雷名はもうこの学園に轟いているんだ。きっと今頃は話に尾ひれがついて、素手で熊を倒したぐらいにはなってるぜ」
空ちゃんの冗談はさておき、確かに先程の先輩がたも私の名前をご存知でした。
船に密航してきた新入生なんて噂話の格好のネタですから、話が広まるのは分かります。
けれど−−違う。この先輩が私の名前をご存知な理由は、違うと思います。
あやめ「やっぱりそうだ……私はあなたに会った事があるのですね?」
?「あら。覚えていてくれたのね」
空「なんだ。知り合いなのかよ姉貴」
空ちゃんは残念そうです。
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?「わたしもね、さっき思い出したの。なんか誰かに似てるなって、ずっと考えていて」
あやめ「は、はい。えっと」
ど、どうしましょう。どうしましょう。実は私、未だにこの方がどなたなのか思い出せていません。
相手が私を覚えていてくださったというのに、私は相手の方がどなたなのか思い出せないなんて、こんな失礼な話はありません。
けれど先輩は、そんな私の様子を見て可笑しそうに微笑みました。
?「思い出せないのも無理はないわ。わたしはあの頃、ひどく病弱で……ほとんど塾には行けなかったもの」
そのお言葉に、ハッとしました。
あやめ「“塾”……?」
思い出しました−−この方はあの“塾”でご一緒した先輩。
あやめ「十二次……十二次憩! 憩先輩です!」
「憩先輩」と、私は昔の呼び名を口にしました。
憩「ふふっ、思い出してくれたのね。懐かしいわ、あやめクン」
呼応するかのように、憩先輩もまた昔の呼び名を口にしてくださいました。
照さんたち姉妹に続き、この月の学園にもあの“塾”でご一緒した方がいらっしゃったのです。
……それにしても。私がこの女学園にいるという矛盾点をご指摘なさらないという事は、憩先輩もやはり照さんと同じように、私の事を女の子と勘違いされたままのようです。

あやめ「トロ……先輩?」
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トロッケンハイト「ひさしぶりだな、菖蒲」
そこには懐かしいお顔がありました。
トロッケンハイト・フォン・メルクーア−−トロ先輩です!
トロッケンハイト「まさかこんなところで再会するとは。懐かしい響きだ、菖蒲」
あやめ「あ、いや、ですから私はそっちの菖蒲じゃなくて……」

このうち2人は、初めから主人公が男だと知りながら、そのことを黙っている。 残りのうちの1人は、再会後しばらくして男性特有のアレを見てしまったために主人公が男だと気づく。 1人だけ主人公が男だとは全然気づかない。 それくらい極めて自然な男の娘なのである。 ついでに言うと、偽弟(実は偽妹)とダブル性別詐称のオマケつき。

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顔は女顔、声も女声、でも、性格は漢(と書いてオトコと読む)の中の漢(笑)。

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しかも、何か不思議な技(笑)の使い手で、滅茶苦茶強い。

どなたも足元に注意がいっていない。私に腕を当てる事ばかり考えて、ただ円を狭めてきているだけです。
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あやめ(王国の型−−『運命の輪』!!)
−−次の瞬間、屈んだ私の足払いが弧を描きました。
双鉗B「きゃあっ!」
引っ掛けた数は一。けれど、円を狭めていた彼女たちは急に横合いから倒れてくるものをよける事ができず、将棋倒しになりました。
双鉗D「ちょっ……! なによ!」
崩れた数は三。
私は崩れた壁を一足で飛び越えると、即座に身構えます。
双鉗A「え……?」
残るは三。
動揺している今こそが−−勝機!!
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あやめ(王国の型−−『星』!!)
折り重なるように崩れ落ちる『双鉗』の生徒たち。
起き上がろうとしていた先程の生徒たちの上に倒れ、一斉に押し潰される。
−−場は沈黙しました。
空「よしっ!!」
空ちゃんが指を鳴らします。
私を取り囲んでいた六人を制する事に成功−−ですが、まだ相手はその倍以上の数が残っています。
双鉗G「な……何、この娘……」
私の予想外の抵抗に怯んでいる今が好機。好機を逃せば数に押し潰されてしまいます。
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王国の型−−『隠者』!!
憩先輩の隠れ処に現れた襲撃者にも用いた、一足で相手と間合いを詰める体捌き。
あまりに瞬時に移動するように見えるその様から、仙道における『縮地』とすら呼ばれる技です。
双鉗H「なっ……!」
唐突に目の前に現れた私に、相手はなす術もありませんでした。
残り−−十三。
双鉗J「なっ……なんですのこの娘……?」
双鉗K「魔術……なの? これ……。でもどうして、新入生が……」


だから『セフィロト流武術』は如何なる状況であれ、後れを取るものではありません。
否−−相手が魔術師だから程度で遅れを取る事は許されません!
あやめ(“先生”のお顔に泥を塗ってしまう)
この程度の相手ならば、修練を重ねたこの身一つでなんとでもなります。

性格は社交的で嫌みがなく正しいと思ったことは躊躇なく出来る人。

ヴァルヴァーラ「送っていただいた事は感謝します。では」
淡々とそうおっしゃって、扉を潜られるヴァルヴァーラさん。
あやめ(あっ……)
その去り際、一瞬だけ見せた横顔に、私は息を飲みました。
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瞳の色はあくまで無表情でしたが、けれど確かに、唇を噛みしめていらっしゃいました。
あやめ「…………」
興味がないから気にする必要もない。
それはとても合理的で、彼女はずっとそうしてこられたのでしょう。
けれどそんな割り切りなどできるはずもありません。ただ、そうする事で、心に壁を作っているだけです。
孤児院でよく見た光景−−
お嬢様に救っていただけなければ、私もいつかきっと……。
あやめ「−−ヴァルヴァーラさん!」
ヴァルヴァーラ「……?」
あやめ「おやすみなさい、ヴァルヴァーラさん」
ヴァルヴァーラ「………………はい」
?「あやめさん?」
照「あ、やっぱりあやめさんでした。お声が聞こえたものですから。ヴァルヴァーラさんとご一緒だったんですね、よかったです」
あやめ「……照さん」
照「どう……されたんですか?」
あやめ「私に勇気がなかったばかりに、ヴァルヴァーラさんを傷つけてしまいました」
照「…………」
少し驚いた様子で、彼女が消えた扉を見つめる照さん。
けれど再びこちらを向き直る表情には、普段の快活な笑顔が浮かんでいました。
照「いいじゃないですかあやめさん。だって失敗したら、次に成功すればいいんです」
あやめ「照さん……」
これで終わりじゃないんです、とその笑顔が言ってくれています。
本当に照さんは小さい頃から変わらない。この笑顔と真っ直ぐな言葉で、いつも私を勇気づけてくれる−−照さんは、そんな人でした。
あやめ「そうですね、ええ、まったくその通りです。ありがとう照さん」
照「あは。やっぱりあやめさんは、そうやって優しい顔をなさっている方が魅力的ですよ」
失敗したら次に成功すればいい。簡単な事でした。


あやめ「照さん」
照「はい、わかりました! ヴァルヴァーラさんをお捜ししますね!」
あやめ「え……?」
まだ何も言葉にしていません。けれど照さんは、私の心を見透かしたように、真っ直ぐな瞳でそう応えてくれました。
照「もう失敗したくないんですよね。そうお顔に書いてあります」
あやめ「照さん…ありがとう。空ちゃんもお願いね」
空「別に構わねーけど。でも姉貴、やけにあいつのこと気にするのな。何かあったのか?」
あやめ「何もないけど−−」
−−けど
あやめ「彼女は、私かもしれないから−−」


ヴァルヴァーラは殊更眩しく映ったあの光景を思い出していた。
いつか自分の前にもあんな人物が颯爽と現れて、こんな危機を救ってくれるのでないかと期待していたのだ。
けれどそれこそ夢物語で、あの陽気で可愛らしい会長の妹には現れても、こんな自分の前には現れるはずもない。
彼女の−−双見あやめの瞳はどうしてか自分にも優しくて、声は心に染みこむように心地よかった。だからこんな勘違いをしてしまったのだ。
ないものをねだるのは、それで終わりにした。
ヴァルヴァーラ「暴力ですか。まったくどうしようもないほど低俗ですね」
鷹司「こ、この−−」
振り下ろされる手。ヴァルヴァーラは来るであろう痛みに顔を背ける。
講堂に響く乾いた音。その痛みはヴァルヴァーラの心の傷を呼び覚まし−−
ヴァルヴァーラ「…………」
−−……呼び覚ます事はなかった。痛みはなく、束縛されていた腕が自由になるのを感じ、目を開く。
ヴァルヴァーラ「−−!?」
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そこには、幾ら望んでもいるはずのない人物が、颯爽と立っていた。
鷹司「−−!?」
あやめ「お下がりください」
鷹司「あ、あなたは……双見さん」
あやめ「お願いします。下がっていただけますか?」
心を落ち着かせるのに苦慮していました。
怒りに任せてしまいたい気持ちを必死に抑えて、お三方をヴァルヴァーラさんから遠ざけます。
ヴァルヴァーラ「……双見……あやめ」
あやめ「お待たせしました。遅くなって申し訳ありません」
ヴァルヴァーラ「あなたを呼んだ覚えはありませんが」
あやめ「そうですか? ……でも、呼ばれているような気がしたもので」
ヴァルヴァーラ「…………」
憔悴はなさっていますが、お怪我はありません。
少し遅れてしまいましたが、なんとか間に合ったようです。これでヴァルヴァーラさんにもしもの事があったら、怒りを抑える自信がありませんでした。
鷹司「ふ、双見さん、あなたどういうおつもり? 彼女を庇い立てするというの?」
吐息を一つ。ざわめく心を落ち着けます。
あやめ「いいえ、鷹司さん。庇う必要などありません。何故なら、ヴァルヴァーラさんは何も悪い事などしておられない−−私はただ、事実をお伝えしに来ただけです」

相手の顔を立てて穏便に事を済ませることも忘れない。

新島「ところで、あの方はご一緒ではないのですか?」
あやめ「照さんの事でしょうか。彼女なら後からいらっしゃるはずですが……何か?」
新島「いえ、いつもあなたのお傍にいらっしゃいますからどうなさったのかと。それに彼女、クラスでは何かと有名ですから」
μに最も近いとされている、生徒会長の夏日ひかるさんの妹−−けれどそれ以外の意味合いを感じてしまい、私は口を閉ざします。
照さん特有の、あの事をおっしゃっているのだとなんとなく感じました。先程の授業中も立ち上がる際に制服のスカートを椅子に引っかけてしまい、机ごと床に倒れ込んでしまって。
空ちゃんに「俺の仇」と言わしめるあの姿まではいきませんが、それでも上品な育ちの方々が多い教室の中で、照さんは自然と目立ってしまっています。
新島「双見さんも何かと大変ですね」
あやめ「…………」
きっと、この方に悪気はないのだと思います。
−−だからこそ、その純粋なお言葉には棘が小さく光っていて。
あやめ「……新島さん。大変などではありません。そう感じておられるのであれば、どうか訂正させてください」
新島「え?」
あやめ「照さんは、私の大切なお友達なんです。幼少の頃にご一緒していた事があって……そしてこの学園で、偶然再会する事ができました」
あやめ「私がそれが嬉しくて、そして彼女といると楽しいんです。だから大変などと感じた事はありません」
あやめ「もしもあなたが、ご自分の大切な友人の事をそのような言葉で表現されたら……きっと悲しい思いをされるのではないでしょうか」
新島「あ……ごめんなさい。私、そんなつもりではなくて……」
あやめ「私の方こそ、偉そうな事を申し上げました。申し訳ありません」
あやめ「どうか、これからも仲良くしていただけると嬉しいです。なんだか、昨朝の一見で皆様から距離を置かれてしまっているようで」

鷹司「ふ、ふん。お話にならないわ」
あやめ「では、私たちだけのお話合いではない方法がよろしいでしょうか?」
鷹司「そ、それは……」
私が申し上げている事が事実ならば、そうなった時に困ってしまうのはヴァルヴァーラさんを犯人扱いした鷹司さんたちです。
……そんな真似も、できれば私は避けたい。
あやめ「賢明なあなたなら、もう真実にお気付きのはず−−どうか、この場は」
女子生徒A「……鷹司さん」
鷹司「わ、わかっているわ」
鷹司「い、いいでしょう。今日のところはあなたの顔に免じてこれで退かせていただきます」
あやめ「ありがとうございます。鷹司さん、皆様」
鷹司「ふ、ふん」
冷静になって考えてみれば、ヴァルヴァーラさんが犯人である可能性など、他のどの方とも同じなのです。
それを心のどこかでは理解されていたのでしょう。お三方は言葉尻を強めながらも、大講堂から姿を消します。


鷹司「ふふ、とても羨ましい−−と、いいえ違いました。そのお話の前に大切な用事を済ませなければいけません」
あやめ「用事ですか?」
鷹司「昨日の事、ちゃんと謝罪をしなければならないと思いまして。レーニナさん」
アーリャ「?」
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鷹司「昨日は大変申し訳ない事をしました。大した根拠もなく騒ぎ立ててしまって。本当にごめんなさい」
アーリャ「別に構いません。が、急激な心変わりの心境を聞かせていただきたい気持ちはあります。わたしはあなたの誤解を解く為の努力を何一つしていません」
鷹司「“奇跡”があなたと双見さんをお救いになったのですよ。それ以外に、どんな理由があると言うのかしら」
アーリャ「なるほど」
鷹司「それで、どうかしらレーニナさん。『天使の手帖』、私たちとご一緒しません? それともまだ興味は湧かないかしら?」
アーリャ「……あのようなものを目撃した今は、多少なりとも興味はあります。しかしご一緒する方はもう決めています。お誘いの言葉には感謝します」
鷹司「そう。ならライバルね。お互い頑張りましょう」
アーリャ「はい、あなたも」

執事も超人。

ですが、一つだけ問題があります。
一つですが、ものすごく大きな問題です。
それはですね、この聖ソルイルナ学園が−−
“女学園”だという事です。
あやめ「うううう。シーザーさん、いったいどんなテを使ったんですかー」
空「いやー、流石は完璧を超えた男だよな。不可能なんてないんだよ」
あやめ「超えなくていい壁もあると思うよー」
あのシーザーさんが条件付きでしか入学許可を得られなかったという時点で気付くべきでした。
いや、むしろ条件付きでも入学許可が得られた事に驚くべきでしょうか。
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シーザー「ほっほっほ。ほっほっほ」

羽音「おい、シーザー」
シーザー「はい、お嬢様」
羽音「あやめの進路希望なんだが、どうなった?」
シーザー「丁度、ご報告差し上げようと思っていたところです」
羽音「ほう。オマエのその顔から察するに、上手くいったんだな?」
シーザー「はい。でき得る限りあやめくんのお望みに副える形に」
羽音「さすがだ、シーザー」
シーザー「恐悦至極に存じます」
羽音「進路希望という事は言っていたな。あやめはどこに行く事になったんだ?」
シーザー「お嬢様と同じ学園です」
羽音「…………ん?」
一瞬、間があった。
羽音「もう一度訊くぞ。あやめはどこに入学する事を希望したんだ?」
シーザー「お嬢様と同じ学園です」
羽音「オマエが冗談を言うなんて珍しいじゃないか。いくらオマエでも、そんな事できるはずがないだろう」
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シーザー「なんとかしました」
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羽音「なんだとっっっ???」

シスター・シスレーがカッコイイ。

あやめ「私も誤解を招くような言動を取ってしまいました。申し訳ありません。しかし、学園の生徒にあるまじき行動を取ったのは私だけです。どうか、処罰は私一人に」
私の言葉には無理があり、先生がそれにお気づきにならないはずはありませんが……。
その後、少し続いた沈黙は、まるで肌をひりひりと焼くかのようでした。
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?「……寮には門限がある」
あやめ「は……?」
?「それ以降の外出は寮監の許可を得なければならない」
あやめ「…………」
?「今日は入学式。本来ならば新たな門出を祝うめでたい日だ−−それに免じて、今夜の騒ぎは不問にしてやる」
あやめ「先生……!」
?「が、門限破りの処罰は全員に受けてもらうぞ。お前もだ、見習い修道士。それが、この寮で生活する者が守るべきルールだ」
空「えええっ!? お、俺もかよっ! 俺は生徒じゃないんだぜっ!?」
?「ならば見習い修道士、この寮から出て行くか?」
?「特別な事情があって、この寮に住まう許可は下りていると聞いているが……ならば、この寮のルールには従ってもらう。不服があるなら出て行ってもらって構わん」
空「うっ……ば、罰ってなんだよ。朝食抜きとか?」
?「可愛らしい発想だな。よし、お前には特別にそいつも追加しておいてやる。ありがたく思え」
空「えええええっ!? 非道いっ! 鬼っ! 悪魔っ!」
?「−−『月の学園』行きの船は先程、無事に出航した。これで友人に会う不正な手立てはなくなったな」

シスター・シスレー「これから先、呼び方だけでなく、この学園独自の慣習がお前たちを混乱させる事もあるだろう。が、それらすべてを、そう堅苦しく捉える必要もない」
シスター・シスレー「わからなければ、わからないと言えばいい。教えて欲しければ、教えてくれと言えばいい。教育とは本来そういうものだ。理解できた者はこちらを見ろ」

ホルバインもカッコイイ。

?「無様だ。まったくもって無能だ。この学園の教員は揃いも揃って無能なのかね?」
教師A「こ、これはこれは……」
教師B「よくぞお越しに……」
その方の登場に、場の空気がピリッと引き締まったのを感じます。教員の方々も緊張した面持ちです。
?「教員がこれだけ集まって出た結論がそれか。実に下らん。」
教師A「も、申し訳ありません。やはりこの生徒の言う事など、検討するにも値しない内容で−−」
?「−−愚か者が」
教師A「え?」
?「貴様は何故、この生徒の申し出を拒む?」
教師A「な、何故とは……新入生の振り分けは、主のご意思によって決定されたものです。そう簡単に覆せるものでは……」
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?「簡単? 簡単だと言ったのか貴様は。この生徒の真摯な想いを目の当たりにして、貴様にはそれが“簡単”などという一言で括れるような気持ちに見えたのか?」
教師A「…………」
?「−−主を引き合いに出すのならば、貴様がそれに見合うだけの人間であると証明しろ」
教師A「で、では、よろしいのですか? 主のご決定を……」
?「主ではない。両学園への振り分けを行なっているのは、我ら『聖化機関』だ」
教師A「だからこそです。『聖化機関』の決定こそが主のご意思に等しいものと、私ども教員は常に受け止めて−−」
?「なるほど、これは無能だ」
?「主の双眸たる島に建つ学園で教鞭を振るう教師でありながら、その眼は学園どころか目の前の生徒一人すら見ておらず、ただ権力に頭を垂れる狗であったか」
教師A「い、いえ、決してそのような……」
?「確かに学園の管理運営は『聖化機関』が行なっているが、それはあくまで主の御許にμを送り届ける為だ。一介の教徒に過ぎない我らを主と混同するなどと、貴様が狗である証でなくてなんだというのだ」
教師A「…………」
?「硝子玉の目を持つ教師よ。貴様の目にはあの生徒の姿がどう映る? あの生徒の為に駆けつけたもう一人の生徒の想いを、どう受け取るのだ?」
教師A「…………」
?「主は−−いったい何を望まれていると思う?」
あやめ「ありがとうございました!」
私は深々とお辞儀をします。
私は見事、『月の学園』の生徒として認められました!……もちろん正式なものではないので、暫定的な措置ではありますけれど。
とにかく、私は月の学園に留まる事を許されたのです。すべてこの方のお力添えのお陰です。
?「−−礼は必要ない」
?「私は貴様の肩を持ったわけではない。ああまでしてこの学園への入学を希望している者を拒否するような真似こそ、主が望まれない行為だと思っただけだ」
そのお言葉は厳しいけれど、とてもお優しいものでした。
想いが通じた−−それは、素直に嬉しい気持ちが溢れてくるものでした。
あやめ「あの、お名前をうかがってもよろしいでしょうか?」
?「……下らん」
素っ気無くそうおっしゃって、その方は去ってしまわれました。
ありがとうございます。
必要ないと言われてしまいましたが、私はその方の背に、もう一度深々と頭を下げました。
?「−−ああ、そうだ」
あやめ「?」
すると、不意にその方は立ち止まり、こちらを振り向かれました。
?「貴様は入学式に出席できなかったのだったな−−『月の学園』への入学、おめでとう」
そう告げると、今度こそその方は立ち去っていかれました。
込み上げる気持ちがありました。
あの方は、一番最初に私を『月の学園』の生徒として扱ってくださったのです。
あやめ「ありがとうございます!!」
その方の背に向かって、やっぱり私はもう一度大きく、お礼を述べました。

土御門陽華が怪し過ぎて素敵。

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ネタも。

三人組A「どうですの、あなたがた。最近の収穫は」
三人組B「ふふっ、聞いて驚かないでくださいませ。わたくし、朝寝坊して遅刻しそうになっている『蛇吾』の娘の靴紐を切ってやりましたわ。あの娘、間違いなく遅刻したでしょうね」
三人組A「なっ、なんて真似を……! あなた、悪党ね……」
三人組C「あらあら。そんな事で驚いていたら、わたくしの武勇伝に心臓が止まってしまってよ」
三人組A「ええ?」
三人組C「これ、なんだと思われます?」
三人組A「い、イチゴ……ですわよね」
三人組C「そう。わたくしね、なんと……『蛇吾』のとある娘がお帰りになったら食べるのを楽しみにされていたショートケーキのイチゴを……盗んでやりましたのよ」
三人組A「なんですって!? あ、あなた……あなたこの学園にお巡りさんがいたら捕まっちゃいますわよ!」
三人組B「そういうあなたはどうなんですの? あなたも、きっとすごい事をされておられるのでしょうね」
三人組C「そうそう。いったいどんな事をなさったの?」
三人組A「そんな……わたくしなんてたいした事はしておりませんわ。わたくしが最近やった事といえば、とある娘が美味しそうに食べておられたラーメンの……」
三人組B&C「ラーメンの?」
三人組A「……ナルトの渦巻きをね、逆回転にしてやった程度ですのよ」
三人組B「しっ、信じられない! あなたは闇の王なの!? この世界を暗黒に染めるおつもり!?」
三人組C「こっ、怖いわ……わたくし、今日はもう眠れそうもない。ううう、わたくしなんてまだまだなのね……」
あやめ「…………」
そら「……なんか、最後だけ心和んだんだけど」
あやめ「私も……」

尚、トロッケンハイト・フォン・メルクーアとヴァルヴァーラ・ビクトロブナ・レーニナは攻略対象ではない。

それから本作の攻略対象キャラクターは、キャラクター紹介ページでも脇役とは色や背景を変えてご紹介させていただいている通り、「夕星羽音」「双見空」「夏日ひかる&夏日照」「十二次憩」となります(ひかると照は「夏日姉妹」という形でシナリオを書いているので、あくまでセットです。ひかるのみでエンディングを迎えるおまけ的な要素もありますが)。

ヴァルヴァーラには次のようなシーンがあるにもかかわらず攻略できない。

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ラスボス

全体的に非常に良いシナリオだが、ラスボスだけは尻切れ蜻蛉である。 ラスボスは、師の教えに反した神が許せないと言う。 しかし、そう言うラスボス自身が率先して師の教えに反した行動を取っている。

ネタバレになるので詳しい説明は省略するが、ラスボスの行動が師の教えに反していることが理解できない人は、師の教えの本質を考えると良い。 神の行動は、一次的禁忌事項を招く原因となる二次的禁忌事項に過ぎない。 ラスボスの行動も、それと同じ一次的禁忌事項を招く点で、神の行動と何ら変わらない。 善か悪かという違いはあるが、それは、一次的禁忌事項の内容とは関係がないことである。 師の教えの本質で見れば、神の行動もラスボスの行動も基本的に同じ行動なのである。

ラスボスの行動が師の教えに反することが明確過ぎるがゆえに、芝居である可能性が第一に考えられるだろう。 師の教えに沿った行動を人々に取らせるために、自ら悪役を買って出ているのだと。

だから●●は遂に、ご自分の“天使”という立場を通じて『悪魔王』になられたのではないでしょうか?
『悪魔王』として君臨され、世界中の敵意を徐々に徐々にご自分に集められて――
――――神の名の下に、人が団結する世を――――
あやめ(……それが、●●が出された答え)

しかし、その可能性は明確に否定されている。 ラスボスの行動は芝居などではない本気の行動である。

あやめ「元は神様が創ったものかもしれない。神様が自分自身のエゴの為に創り出して、自分自身のエゴの為に人間に与えたものかもしれない」
あやめ「けれどこの答えは、神様が与えてくれたものではありません!!!」
あやめ「――私たちは、あなた以上に神様を憎んでもいなければ、あなた以上に必要としてもいないんです」
●●「なん……だと? 私が、この私が、神を必要としているというのか?」
あやめ「ええ。神様を――あなたが憎んでいる神様を」
あやめ「何故、忘れる事ができないのです。何故どうでもいいと、打ち捨てる事ができないのです」
●●「できるはずがなかろう! あいつは――」
●●「……あいつは、裏切った。恩師を裏切った。そして、我らが共に胸に抱いた理想を裏切ったのだ」
あやめ「もうよろしいでしょう、●●。あなたは復讐を果たされたのです――もう、赦して差し上げてはいかがでしょうか?」
あやめ「――私は、私たちは、あなたに神様を赦していただく為にやってきたのです」
●●「赦す……だと?」
あやめ「そうです。考えて、考えて、考えて――あたなをお止めするにはそれしかないと、思い至りました」
●●「考えられない事だ。奴を赦す事などあり得ぬ」
あやめ「そうしている限り、あなたは捕われたままだ。神様に捕われたままの――あなたはずっと、天使のままです」
●●「なん、だと……!」
●●「私のこの想いが。この想いこそが、私を天使たらしめているというのか?」

ラスボスは気が触れてしまったのだろうか。 しかし、その可能性も明確に否定されている。

私が絶句したのは、この時。
その強さを見せつけられた時ではなく、この時の●●のお言葉に対してでした。
あやめ「では、●●は……正しい事をなさっていると? そう……おっしゃるのですか?」
●●「そうだ。私は私の正義を貫いている。それを止めるのであれば、あやめ――汝も相応の覚悟をせよ!!」

ラスボスは正気のまま師の教えに反した行動を取っているのだ。 何と、ラスボスの仲間が他にいて、彼らもラスボスと同様の行動を起こそうとしているのだと言う。 かつて同じ師に従い、今でもその師を崇拝しているはずの同志達が、どういうわけか、揃いも揃って師の教えに反するというのである。

●●「共にこの世界に閉じ込められた弟子の多くは、すでにこの世を去ったが……『七人の弟子』は残り五人。私たちを抜かしても、残り五人の弟子がいる」
●●「天使として創り変えられ、いつでも悪魔になれる力を持った弟子たちが――」
●●「“彼ら”は動き始めるぞ。狼煙はもう上がってしまった――彼らは気付いただろう。神が真実、死んだ事に」
●●「この神なき世で――それぞれがそれぞれの意思の下、動き始める」
●●「それぞれの理想の為に。それぞれの想いの為に。私とは異なるやり方で動き始める」
●●「私と同じように、この悠久の時の彼方でも弟子としてあり続けているのならば……必ず動き出す」

同志達の中には、彼らの行動を止める者が誰もいないらしい。 彼らの言動が支離滅裂過ぎて、何がしたいのかサッパリ理解不能である。

●●(いずれ私もまた仕掛けていくぞ。常に。常にだ。世界は常に、私という脅威を抱える)
これが、●●の“誇り”。
●●(再び我が前に立ってみせよ、人の子らよ――)

ラスボスは主人公たちの前から姿を消すが、彼が何がしたかったのか最後まで明らかにされないままである。 それで、メデタシメデタシみたいに終わられても釈然としないものが残る。 このラストの意味不明さはこの作品の唯一にして最大の欠点だろう。

Last modified:2019/05/02 18:15:03
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*1 鷹司(妹)を左右反転すると、あら不思議、たちまち鷹司(姉)に早変わり!?